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口コミ投稿
- ONE TO GET HER [CD] / アーノルド・クロス・トリオ, Arnold Klos
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- 投稿日:2020年09月23日
- この口コミの投票獲得数:2票
4 - アルバムタイトルになっている「One To Get Her」という曲はアーノルド・クロスのオリジナルだそうですが、印象的なフレーズが繰り返される中で徐々に深くドラマチックに展開されていくのが見事です。ボッサ風味の「How Insensitive」も軽快で素敵です。クロスといえばビル・エヴァンスの影響を強く受けているというイメージが強く、本作でも「The Two Lonely People」などエヴァンスの曲が出てきます。でも以前はもろにエヴァンスの影響とわかるような演奏でしたが、ここへ来て変わってきたようです。エヴァンスへの尊敬はあるけど、単にエヴァンスのファンを喜ばせるだけじゃなくさらに自分の曲として高めているかのようです。
- SWINGIN’ SOFTLY [CD] / ヨス・ヴァン・ビースト・トリオ, Jos van Beest
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- 投稿日:2020年09月23日
- この口コミの投票獲得数:4票
4 - 私がヨス・ヴァン・ビースト・トリオを知ったのはボーカルのマリエル・コーマンがきっかけだったので、ついコーマンとセットで捉えがちでした。改めてトリオ単体で聴いてみると決してコーマンの演奏バンドなどではないと思い知らされます。「Telkens Weer」を始め選曲のセンスが素晴らしく、「Autumn Leaves」や「Flamingo」のような、ある意味スタンダードすぎるような曲でも退屈させずに聴かせてくれます。静止画のように物静かだけど不思議な存在感のあるトリオだと思います。
- RUSSIAN LULLABY [CD] / ウラジミール・シャフラノフ・トリオ, Vladimir Shafranov
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- 投稿日:2020年09月23日
- この口コミの投票獲得数:4票
4 - 選曲がバラエティに富んだアルバムです。「Cape Verdean Blues」の出だしがかっこいいです。チェット・ベイカーの「If I Should Loose You」が哀愁感たっぷりの仕上がりになっているのも良かったです。ショパンのノクターンまで入っていて驚きましたが、余分な装飾を省いて、シンプルで静かな始まりだけど優雅な曲になっています。いかにもクラシックに精通したピアニストらしいノクターンで、今にもダンスが始まりそうな雰囲気でした。
- Further Down The Road [CD] / ALAN BROADBENT TRIO
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- 投稿日:2020年09月23日
- この口コミの投票獲得数:3票
3 - 「Invitation」「Night and Day」など有名な曲が収録されていて親しみやすさはあります。でもそれ以外に何か意外性があるかと言われると、特に何も感じません。ジャズ好きな人が聴きやすい曲を集めて聴きやすく演奏しました、ただそれだけ・・という感じです。例えばチャーリー・パーカーの「Au Privave」はとても好きな曲ですが、今さらこのトーンで聴かされてもなぁ、と若干退屈してしまいました。無難な曲を無難に聴きたいときには丁度良いのかもしれません。
- SWEET & LOVELY [CD] / BERNDT EGERBLADH TRIO
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- 投稿日:2020年09月23日
- この口コミの投票獲得数:3票
4 - ベント・エゲルブラダという人はスウェーデンのミュージシャンだそうです。この人に限らず、北欧のミュージシャンにはどこか独特の感性があるように思います。思えば北欧の家具や雑貨も個性的な魅力があるので、音楽にも独特の感性が現れるのかなと思います。このアルバムも、個性がとても新鮮で心地良いです。「The First Snow」では日本人とは雪に対する表現が違うのだなぁとつくづく思うし、「One for the Bartender」は本当に彼ならではなんだろうなと思うほど個性的な曲です。かと思えば「Night Piece」ではとても繊細で北欧の夜空のような澄んだ表現を聴かせてくれます。
- NUMURKAH [CD] / OONA TOIVANEN TRIO, ヨーナ・トィヴァネン
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- 投稿日:2020年09月23日
- この口コミの投票獲得数:4票
4 - ヨーナ・トイヴァネンというフィンランド人のピアニストのことはこのアルバムで初めて知ったのですが、レコーディングされた当時、まだ21歳だったそうです。それなのに全曲オリジナルのアルバムを発売して、しかも曲の表現が素晴らしいのでいろんな意味で驚きました。ジャズの世界は割と遅咲きの人も多いのに、凄いことだと思います。「Pale Morning Dun」では北欧の神秘的な月夜が思い浮かぶようだし、「Kertomus Metsasta」は優しい物語を紡ぐような美しい曲です。他にも個性的で神秘的な曲が多く、フィンランドという環境から生まれたのだろうかと想像が膨らみます。
- Simple Mood [CD] / Joerg Reiter
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- 投稿日:2020年09月23日
- この口コミの投票獲得数:5票
4 - 聴く前に曲のラインナップを見て、白雪姫のテーマやデイビスやベイカーの曲が並んでいたので、何となくこういう感じかなぁとイメージしていたのが、最初の「Someday My Prince Will Come」から良い意味で裏切られました。エヴァンス風のゆったりしたものを想像したのに、後半に向けて徐々に盛り上がっていく様子は思っていたのと全く違って、音の広がりのようなものを感じました。「On Green Dolphin Street」や「Stella by Starlight」に関しても、正直あぁまたかと勝手に想像していたところにガツンとパワフルな音が響いてきて驚きました。オリジナル曲も入っていて、中々聞き応えのある作品です。
- さすらいの二人 [DVD]
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- 投稿日:2020年09月22日
- この口コミの投票獲得数:0票
4 - 1975年の映画です。ジャック・ニコルソン主演ですが、ハリウッド映画とは違い抽象的な表現や謎が多く、一度見てスッキリという映画ではありません。ストーリーは自分に似た男に成り済まして新しい人生を生きようとする主人公がトラブルに巻き込まれていく話です。相手役のマリア・シュナイダーが主人公と行動を共にすることの意味や彼女の正体に気付くかどうかで、この映画の解釈が大きく変わるように思います。シュナイダーの謎が分かった上でもう一度最初から観ると割とすんなり観られますが、それでも全部スッキリとはなりませんでした。良く言えば何度も味わえる映画ということでしょうか。シュナイダーがオープンカーで風に当たるシーンと、ラストでの5分以上にわたる長回しが印象的です。それ以外にも象徴的な描写があちこちに出てくるので気が抜けません。力を抜いて楽しみたい人には不向きな映画かもしれません。
- チャイナタウン [Blu-ray][DVD]
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- 投稿日:2020年09月22日
- この口コミの投票獲得数:2票
5 - ハードボイルドなジャック・ニコルソンが堪能できる映画です。バットマンのジョーカー役も良いですが、私はこっちのジャック・ニコルソンも好きです。利権がらみの街で起きた事件を調べる探偵がチンピラに痛めつけられますが、チンピラ役はこの映画の監督です。探偵に調査を依頼する人妻役はフェイ・ダナウェイ。美人なのに少し頬がこけてどこか影のある雰囲気が、役柄にぴったりです。利権の闇とおぞましい過去が次第に明らかになっていく過程と救いのない結末に、観る側は後味の悪さだけが残ります。でもあえてハッピーエンドにしなかった事で、フィルム・ノワールと呼ばれるジャンルの中でも名作と言われるようになったのだろうと思います。私にとっても紛れもなく名作です。
- ネットワーク [DVD]
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- 投稿日:2020年09月22日
- この口コミの投票獲得数:0票
5 - テレビ業界の内情を描いた作品です。40年くらい前とは思えないほど現代のテレビやネット社会に当てはまりそうな内容で、何十年経っても根本は変わらないんだなと思わされます。視聴率低迷で首になりかけたキャスターがノイローゼになって生放送で自殺宣言、そのおかげで視聴率がうなぎ上りになるというお話です。「俺は怒っている!」と叫んで白目を向くキャスター、そんな完全にイカれてしまった人物を視聴率のために使い続けるプロデューサー、より分かりやすい刺激を求める視聴者・・・皆んなが皆んなちょっとずつ狂乱じみていて、ブラックジョークの効いた作品だと思います。フェイ・ダナウェイが失恋するシーンで、別れの言葉が「はい、コマーシャル」だったのが、何だか洒落たシーンに見えました。