yu-kiさんの投稿した口コミ一覧

加賀恭一郎シリーズです。この作品は、犯人が誰か明かされてされていません。読み進めていけばいく程、明らかになる事実に平行して深まる最大の謎に翻弄されて結局、袋綴じを見て、ネットで調べて解決しました。容疑者とお兄さんの見応えのある駆け引きに引き込まれ最後まで康正を信頼する加賀刑事はとっても素敵な作品でした。

若い加賀さんの恋が出て来るのも楽しめて、刑事としてはまだ未成熟でも人間味あふれるとてもいい感じでした。閉ざされたバレリーナの世界で起きるミステリとロマンスが綺麗に描かれていて、事件にはせつなさが残りますが、とても感動的なラストで良かったです

現実の政治の様相とリンクして、興味深い内容の作品。読んでて少し恐くなるような不思議一冊でした世論に流されるばかりでいずに、物事に対する自分なりの意見を持つことの大切さや重要性をつきつけられているような気持ちになりました。この続きが気になるなと思ったかたは「モダンタイムス」を続きで読むとすっきりできると思います。

登場人物は私と沙也加のたった二人のやり取りだけなのに複雑で興味をそそられる内容になっています。沙也加の小学校に入るまでの記憶がないというこの秘密を追い求めて旅立つ本格的サスペンスです。真相を明らかにした女性が、自分は自分として生きていくと決断するラストがいいですね。

醜い心の人間が大勢出てくるすこし後味の悪い感じですが、それぞれ不幸な生い立ちから形成されている模様に悲しみを感じます。誰も救われずに終わるのが少し残念な気もしますが、先がなかなか読めない展開で面白かったです。物語にどんどん引きこまれていきます。

登場人物たちの生き生きとした姿は読んでいて楽しいです。大阪が舞台で、関西弁のノリとしのぶセンセの豪快さと子どもたちの会話がとてもおもしろい作品です。短編集なので移動時間などにも読めて、おすすめです。

浪花少年探偵団の続編で完結編です。東野さんが、こんな作品も書くんだと思われるかもしれない作品ですね。あいからわず元気すぎる関西弁のしのぶ先生が大活躍。前作から時間がたっていましたが、登場人物が個性的なのですぐ思い出せました。短い話の中にしっかり謎と伏線が散りばめられていて、最後はすっきり解決なので楽しい作品です。

探偵と助手が一度は結論が出たかのような事件の真実にせまる５編の短編集です。スマートに仕事をこなす探偵2人が格好良かった。二人の正体は最後まで明かされず、ちょっと不気味さもただよいますが、真に事件を「決着」させるのは依頼人その人達であくまで探偵たちは事実と状況分析に徹して活躍します。そういうところが他の探偵物作品と違ってリアリティーがありました。それぞれの短編の謎やトリックが分かりやすく解明されていますので、スッキリできて読みやすい１冊です。

タイトルのつけ方の上手さにはさすが東野さんだなぁと思います。主な登場人物には抱えている思いや悲しみがあって、１人１人の視点から描かれる親子の絆が読み進むほどに、家族とは何かを深く考えさせられました。最後まで読んで、赤い指の意味が分かった時には感動しました。

横山さんの処女作です。デビュー作がこのレベルとはと読み終わってからただただすごいなと思いました。前半は、いろいろと中身を盛りすぎかなと思っていましたが、それぞれの伏線の回収が見事です。中盤からはどんどんと一気読みせずにはいられませんでした。相馬と妹、橘と日高鮎美の関係などせつなさややりきれない思いがありますが、登場人物一人一人が個性、特徴があって魅力的で素敵です。