猫まるさんの投稿した口コミ一覧

さすがジム・キャリーと思わされます。ネガティヴ思考で冴えない主人公がみるみるうちに人生を好転させていく過程が面白いです。一見何の役にも立たなさそうなギターや韓国語の活用にも笑いました。ラストのオチも皮肉が効いていて見事でした。頭空っぽにして楽しめる娯楽作品ですが、大人から子どもまで家族一緒に見れるかというと…微妙です。テーマ自体は子どもにもわかりやすいので、そこだけ残念です。

「オズの魔法使い」で一世風靡した元映画スターの晩年が描かれています。子役時代から薬漬けにされ、使えなくなったら解雇され、大スターだったのに「さっさと歌え」と客席から物を投げつけられるなんて悲しすぎます。夢を見せ楽しませてくれた人には、時が経っても敬意を持ちたいものです。「みんな何もしてないのに、私のショーを観ただけで何かを成したように自慢げになってる」という台詞が、利用価値を探ってくる人ばかり寄ってきた事を物語っていて切ないです。ジュディ役のレネー・ゼルウィガーが素晴らしかったです。

早撃ちガンマンが出てくる西部劇ってあまり興味のないジャンルなのですが、この顔ぶれだと観ないわけにはいかないですね。ジーン・ハックマンは役が本当によくはまってるし、ブレイク前のレオナルド・ディカプリオとラッセル・クロウが若くて痩せててかっこいいです。もちろんシャロン・ストーンも美しくてかっこいい。復讐に燃えてるのに冷徹ではなく、臆病な面もあるのが人間らしくていいと思いました。

無理やり現代版にリメイクする必要性がよくわかりませんでした。おとぎ話として見るならまぁまぁです。エンタメに文句を言うのは野暮ですが、愛犬家の一人としては見過ごせない点もありました。「行きたいのね、さよならHACHI」と言って犬を放つのは現代では捨て犬と変わりません。その後ちゃっかり代わりの犬を飼ってるし。無理やりの現代版なので人間が身勝手に見えてしまいました。とはいえ犬は素晴らしく、つぶらな目で見つめられると外出できなくなるシーンには激しく共感します。

けっこう有名な作品なのに何故か今まで観ていませんでした。今さらの初鑑賞でしたが、古いけどなかなか良かったです。ストーリー的には典型的な学園ものという感じですが、何しろ少年っぽさ全開のイーサン・ホークばかり目で追ってしまいました。ロバート・ショーン・レナードの劇中劇も、さすが舞台中心の俳優なだけあって良かったです。

実在した女性の半生をオードリー・ヘプバーンが演じています。劇中のオードリーはブランド服もキュートな髪型もなく、すっぴんに近いナチュラルメイクなのにとても綺麗です。修道服を着ていても姿勢の美しさがわかるし、周囲と同じ服装なのにオードリーのオーラはやはり別格でした。華やかな作品ではないけど、接した人皆んなから好かれる主人公はオードリーにぴったりな役柄でした。ラストシーンで初めは戸惑い気味に、でも最後はまっすぐに歩き出す後ろ姿が印象的でした。

前半はとにかくイライラの連続でした。でもこの主人公はただ偏屈で風変わりな人ではなく、強迫観念に取りつかれた病気の人です。チラッと出てきた幼少期の体験に紐づくのかもしれません。そんな彼に普通の愛の言葉など言えるはずもなく、だからこそ「君は僕に，良い人間になりたいと思わせたんだ」という言葉にグッときます。他人を家に入れたり、鍵をかけ忘れたり、複雑な模様の地面にちょっとだけ足を踏み入れ始めたメルヴィンをそっと応援したい気持ちになりました。

映画のレビューサイトってどうしても「玄人目線で評論したがる映画ツウ」みたいな人で溢れかえりがちで、映画は頭空っぽにして観る大衆娯楽だと思っている私には少々苦手ではあります。とはいえ、感想が分かれそうな作品のレビューを読むと、自分と真逆の感想を持つ人がいたりして、そういう点では面白いです。

少し前のカンヌ国際映画祭グランプリの作品です。以前に一度観ようと思って途中でまさかの寝落ちしてしまった過去があるので、リベンジのつもりで改めて観てみました。良くも悪くも「いかにもカンヌで好かれそう」な作品でした。トスカーナの自然と子供たちの天真爛漫さに癒されます。ストーリーはごくシンプルで、養蜂業を営む一家の日常が描かれています。美しいBGMはなくお父さんの怒鳴り声ばかりなので、ちょっと疲れます。途中でやっぱり眠くなってしまったものの、ラストシーンで急に人の記憶を覗いていたかのような感傷的な気持ちにさせられました。

興行的には失敗した作品だそうですが、個人的には名作だと思っています。主演のキャサリン・ヘプバーンがとにかく美しいです。史実を描いているので結末はわかっているのですが、それでも「何とかならないのだろうか」と観ている側もヤキモキしてしまいます。二人の女王の対立と周囲の思惑が錯綜し、長さを感じさせません。古いモノクロ映画ですが、裁判のシーンなどでも見られる効果的な映像の使い方が印象的でした。