さまよう刃 / 東野 圭吾の口コミレビュー

同情や共感を得やすいテーマだと思いますが、ラストはやや拍子抜けしました。こういう事件は実にやりきれないし、怒りも覚えます。世間では「被害者が報われない。少年法を変えろ」という意見が出やすいですが、個人的には感情で法律が変わるのは良くないと思います。法律が厳しくなっても犯罪は減らないし、仇討ちが認められてた過去の日本は今より良い時代か？と言われると、そうも思えません。しかも今はあっという間に素性が晒されるネット社会なので、少年法の意義も薄れているような。一方で遺族の気持ちも十分わかるし、読後も気持ちがモヤモヤしました。こうなるのが分かっているから、この手の作品は読みたくない・・・でもやはり手に取ってしまいました。

464166

東野圭吾のさまよう刃は、何度か読んだことがある作品です。娘を殺された父親が犯人に復讐して逃亡するストーリーになります。娘を殺した犯人であっても復讐することは許されませんが、父親の気持ちも十分理解できる自分がいました。自分が家族や恋人を誰かに殺されたら、少なからず復讐したいと考えるはずです。少年が殺人を起こしても少年法で守られる理不尽さを改めて感じました。事件の内容はかなりキツイですが、少年法について考えるきっかけになると思われるので読んでみるべきです。

463695

読み終えると暗くなります。東野圭吾さんの作品は本当に色々考えさせられます。少年犯罪の物語ですが、被害者の家族の立場になったら復讐を応援したくなりますが、復讐をしたところで死人は生き返らないし、本人が犯人となるだけ。少年法についても今のままでいいのか・・と思うし、現実にこういうことで苦しむ人がいると思うと、いたたまれないですね。東野さんの作品はいつもですが、読み進めるにつれて、どんどん先を読みたくなります。でも、この作品に限っては娘を持つ父親は、読みたくないかも・・

193128

少年犯罪を扱ったサスペンスです。事件の重大性や心理描写が深く、少年法に守られる犯人と、どんどん追いつめられる遺族に考えさせられる作品です。東野さんらしい、終盤のクライマックス部分は最終的にどういう結末を迎えるのか目が離せない展開でした。

169228

読み終わった後、やりきれなさが残った作品でした。少年が犯罪を犯した時、ニュースで少年法について議論をしていて、私も考えたりしましたけど、この本を読んでリアルに自分が被害者遺族側になった時のことを考えたら、ニュースで見ていた時とは全く違った感情がわき上がってきました。

96073

映画化されましたが、映画は見ていません。原作に忠実になるとは思わなかったので。娘をレイプされ、殺された父親の復讐。被害者家族の思いは痛いほど分かる。でも、復讐を遂げさせてあげたい。しかし被害者家族を殺人犯にするのは…すごく考えさせられる話でした。

72732